Thank You Steve.

 私が社会人になってまもなく、客先のエンジニアが Macintosh Plus のユーザで Mac は凄いという話を聞きました。しかし Macintosh は高価で、しかも日本語処理がまだ弱い頃でした(拡張漢字ROMというのがあった)。その後、漢字 Talk が出て、MC68030 の SE/30 が出て日本語がまともあつかえるようになったので、念願の Macintosh (SE/30) をローンを組んで手に入れました。その時アナタは Apple にはいませんでした。Macintosh が楽しくって楽しくって、数週間徹夜で(主に ResEditで)遊んでて、体力が衰弱してしまって、最終的に睡眠薬を使って強制的に睡眠をとった事を苦笑と共に思い出します。Inside Macintosh 全巻、Apple Human Interface Guidelines、ProtoTyper や Think-C をそろえ、また、Macintosh Programming Primer をわざわざニューヨークから届けてもらいました。毎日、車の助手席に Mac を乗せて(当然シートベルトをしてあげて)会社に通ってました。ある日、神戸大学で NeXT 社のスーザンさんの話を聞いて、NeXT の購入を決意。オヤジの支援もあり、日本に初めて導入された NeXT cube を手に入れました。UNIX Network の楽しさは仕事先の某研究所で知っていましたので、Macintosh の UI と BSD のハイブリット環境でこれも楽しくって楽しくって仕方がありませんでした。まだ日本語対応していない NeXTStep 上で X で日本語表示させて喜んでいたのも楽しい思い出です。NeXT のおかげで、NeXus というユーザ会に参加してからは、あまり社交的でない私ですが、どんどん素敵な仲間が増えました。初めて商用 Internet に接続したのも NeXT でした。 World Wide Web は会社の Macintosh で見ていたのですが、World Wide Web が NeXT で誕生したという事は後で知りました(その名も WorldWideWeb.app というアプリは MO 回覧で持ってはいましたが)。NeXTSTEP のあるバージョンには Pixar RenderMan がこっそりはいっていましたね。伝説の日本橋「ふぁすと・ばっく」で白 NeXT 用の PC を組み立てたのも忘れられない思い出です。私はその後、UNIX Network と Web の世界で仕事をするようになりました。Apple が NeXT を買収した(NeXT が Apple を乗っ取ったともいう)後、MacOSX も OpenStep/Rhapsody beta からはじめて、仕事では PowerBook と MacOSX を使っていました。(このあとのいろいろな出来事は私にとっては、まだまだ生々しい話なので割愛)

アナタのビジョンに共感し、アナタのプロダクトを愛用し、また、そのコミュニティから人脈が広がり、仕事が生まれました。ありがとうスティーブ。アナタがいなければ今の私はありません。ありがとう。アナタのビジョンは世界中の人々の心の中にあります。ありがとうスティーブ。

R.I.P.